ひねもす(略)

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「異性」の感想。作家、歌人の凄さ

 

異性 (河出文庫)

異性 (河出文庫)

 

作家と歌人が往復書簡形式で異性について語った本。めちゃくちゃ面白いのだけど、その中でも 角田さんが考える「女性とつき合ったことのない男性」の条件が強烈だった。

 

おかあさんが買ってきたような服を着ている。

ジーンズのかたちがへん。

ジーンズなのに、 靴 が黒い革靴。

ジーンズなのに、ベルトが黒の革製。

髪が黒くて多い(関係ないけど)。

眼鏡が銀縁。

話すとき人の目を見ない。

自分のせりふに自分で笑う。

(自分のせりふ以外には)笑わない。

言葉遣いがへん。

会話のキャッチボールができない。

ちょっと失礼では?と思うようなことを冗談とはき違えて、受けを狙って言う。

態度が尊大。

 

ギャー(吐血)

怖い。作家ってすごい。なんという目で世界を見てるんだ。そして、記憶にとどめているんだ。ジーンズの形が変とかはまだかわいいんだけど、自分のセリフには笑うのに人のセリフ以外には笑わないとか、ヒヤッとする。なんだか、気づいてはいたけどそこまで踏み込んでは行けない領域まで軽々見通している感じがする。一種の心霊話に近い感覚がした。

 

ちなみに、上記の条件はこのような男性とばっかり付き合う女友達について書いている章で出てくる。よって、延々ともてなそうな男性について書いているわけではなく、あくまでも主題はその女友達について、なのだ。

こういう男性が、その女友達と付き合うことによって洗練されていくのだけど、結局別れてしまうという話。なので、角田さんはこういった男性に興味があるというわけではなく、それでもこの鋭さというのが恐ろしい。

 

その他にも、所有感覚の話が面白かった。よく女性をものとして扱っている問題についてちょくちょく語られているけれど、そんなひどいものではなくもっと軽い、でも図々しい所有の感覚を持っている人がいる。それは恋人だったり、応援している球団だったり、バルーンスカートだったりする。

これも、歌人の言語感覚だから捉えられた現象というか、普通の人だったら指摘されても、意味不明なクレームとしか思わなかっただろうなぁと思う。このテーマは自分でももっと考えてみたいなと思った。